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〜建築家 安藤忠雄による解説〜
建物は、北海道夕張山脈の北東、中央山岳部の平原に位置する。付近は野生の樹木が生い茂り、春から夏にかけて周辺は緑に覆われる。また冬には一面の美しい銀世界となる。
付近を流れる小川から水を引き込んで、人工の湖をつくった。ここでは、水という自然がどのように建築や人と関わるかを、この教会を通じて考えた。
全体は一辺10mと15mの大小2つの正方形平面が重なり合い、人工の湖に面して配されている。
それらを取り囲むようにして、自立した壁がL字型に巡っている。建物の背後をまわりながら、長い壁沿いにアプローチする。ここでは水は聞こえるが、水は見ることができず、人々の期待感を高める。
壁をくぐり180度反転すると、眼前に水面が広がる。水音を聞きながらさらに緩やかなスロープを登っていくと、四方ガラスに囲われたアプローチへと導かれる。
ここは光の箱である。上部は開放され、天空の下、造形的な十字形が4つ向かい合って立っている。ここでは水や風の、鳥の鳴き声などを聞きながら、自然と交感することができる。視覚だけでなく、五感に訴えかけてくる建築をつくりたいと思った。
4つのシンメトリーの十字架は巡る人に方向性を与えず、礼拝堂へ向かう時の効果を高める。回り階段を上下することにより、周囲の自然を認識することができる。
円弧状の暗い階段を降りていくと、そこは礼拝堂である。眼前に人工湖が広がり、十字架が現れる。
礼拝堂は直径5mの球を9つ内包し、前面にはガラス戸、背後にはロビーを控えている。
前面に広がる水面は自然に中に存在する。抽象的ともいえる一枚の鏡面である。切り取られた風景は時々刻々と変化し、その姿を水面に映し出す。その移ろいに、人々は自然と聖なるものを感じ取ることができるであろう。
安藤忠雄
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建物は、北海道夕張山脈の北東、中央山岳部の平原に位置する。
付近は野生の樹木が生い茂り、
春から夏にかけて周辺は緑に覆われる。
また冬には一面の美しい銀世界となる。
付近を流れる小川から水を引き込んで、人工の湖をつくった。
ここでは、水という自然がどのように建築や人と関わるかを、
この教会を通じて考えた。
全体は一辺10mと15mの
大小2つの正方形平面が重なり合い、
人工の湖に面して配されている。
それらを取り囲むようにして、
自立した壁がL字型に巡っている。
建物の背後をまわりながら、長い壁沿いにアプローチする。
ここでは水は聞こえるが、水は見ることができず、
人々の期待感を高める。
壁をくぐり180度反転すると、眼前に水面が広がる。
水音を聞きながらさらに緩やかなスロープを登っていくと、
四方ガラスに囲われたアプローチへと導かれる。
ここは光の箱である。
上部は開放され、天空の下、
造形的な十字形が4つ向かい合って立っている。
ここでは水や風の、鳥の鳴き声などを聞きながら、
自然と交感することができる。
視覚だけでなく、
五感に訴えかけてくる建築を
つくりたいと思った。
4つのシンメトリーの十字架は巡る人に方向性を与えず、
礼拝堂へ向かう時の効果を高める。
回り階段を上下することにより、
周囲の自然を認識することができる。
円弧状の暗い階段を降りていくと、そこは礼拝堂である。
眼前に人工湖が広がり、十字架が現れる。
礼拝堂は直径5mの球を9つ内包し、
前面にはガラス戸、背後にはロビーを控えている。
前面に広がる水面は自然に中に存在する。
抽象的ともいえる一枚の鏡面である。
切り取られた風景は時々刻々と変化し、
その姿を水面に映し出す。
その移ろいに、人々は自然と聖なるものを
感じ取ることができるであろう。
安藤忠雄